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肘部尺骨神経障害って何?

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「肘部尺骨神経障害」という聞きなれない言葉、
簡単に言うと腕の神経が肘のあたりでギュッと圧迫されて、
痛みやしびれが出てしまう症状のこと。
特に手根管症候群についで、
頻度の高い神経障害なんです。

放っておくと、手がうまく動かせなくなることもあって、
早めに発見・治療が重要なんです。

さて、この症状を診断するために
「神経伝導検査」と「インチング法」という
2つの方法が使われます。
これが今回の論文の肝ですね。

方法①:神経伝導検査

まず最初に登場するのが「神経伝導検査」。
これをやることで、どこで神経が圧迫されているのかがわかります。

やり方はシンプルです。
まず、電極を指や腕にセットして、
電気刺激を加え、
どのくらい早く信号が伝わるかをチェックします。
肘のちょっと下、肘の上、手首あたりを刺激して、
健側(つまり正常な方)と患側(痛みやしびれがある方)で
違いを比べます。


もし伝わる速度が遅かったり、
途中で信号が途切れていたりしたら、
それが「ここが問題ですよ」というサインになるわけです。

この神経伝導検査、
特に簡単で初心者にもわかりやすい診断方法です。
でも、「もっと詳しく見てみよう!」というときには、
「インチング法」というさらに詳細な方法が登場します。

方法②:インチング法

「インチング法」は、もう少し詳しく場所を特定するための方法。
どうやるかというと、
神経の上を数ミリ単位で刺激していくんです。

神経ってけっこう細いんですが、この方法で、
「圧迫されているのは、ここです!」と
かなり正確に特定できます。
特に、肘の内側にある数センチの尺骨神経に問題がある場合、
この検査がとても役に立つんですね。

このインチング法によって、たとえば
「肘の内側の◯ミリあたりで信号がブロックされている」とか、
「ここで伝わりが遅くなっている」といった
細かい情報がわかります。
つまり、インチング法をやることで、
神経のどの部位に異常があるのかが精密にわかるんです。

結果から見る尺骨神経障害の原因

さあ、これで検査ができました。
では、この検査からどんなことがわかるのでしょうか?

尺骨神経障害の原因として、
いくつかの要因が考えられていますが、
特に注目したいのが次の3つです。

  1. 肘の骨の変形
    肘の骨が変形することで、神経が圧迫されやすくなることがあります。 たとえば、骨折した後に肘が曲がったまま治ってしまうと、尺骨神経に圧がかかりやすくなります。

  2. 筋肉や靱帯の影響
    肘の周りにはたくさんの筋肉や靱帯がありますが、これらが神経に当たると、信号の伝わりが悪くなってしまいます。特に、肘を曲げる動作が多いと、神経が圧迫されやすくなります。

  3. ガングリオンや血腫
    ガングリオンというのは嚢胞(液体が溜まる袋のようなもの)で、血腫は内出血のようなもの。これらが神経に圧力をかけることもあります。

これらの要因が尺骨神経に影響を及ぼし、
結果として「肘部尺骨神経障害」が発生するわけですね。

神経伝導検査とインチング法の重要性

この論文の結論として、
「神経伝導検査」と「インチング法」を使えば、
肘部尺骨神経障害の発見がとても正確に
できるという点が挙げられています。

なぜこれが重要か?
それは、症状が軽いうちに発見して対処することで、
手が動かしにくくなるといった症状の進行を防げるからです。
尺骨神経は放っておくと筋肉の萎縮が進んでしまいますが、
早く発見すれば軽いリハビリやサポーターなどの装着で
改善する可能性が高くなります。

もし重症化した場合でも、
外科的な治療(手術)で神経の圧迫を取り除き、
症状を改善できる可能性があります。
この点からも、肘部尺骨神経障害における
神経伝導検査とインチング法は非常に重要です。

 

 

 

日常生活とリハビリ

日常生活では、肘を酷使しすぎないように注意することがポイント。
たとえば、肘を頻繁に曲げたり伸ばしたりするスポーツや仕事は、
どうしても神経に負担がかかるので、
無理をしないようにすることが大事です。

また、診断がついた場合は、
サポーターを使って肘をサポートしたり、
リハビリで筋力を補ったりすることで、
症状の悪化を防ぐことができます。


リハビリによって、症状の進行が抑えられ、
日常生活にも支障をきたさなくなる可能性があるので、
早めの診断が何より大切なんですね。

最後に

ここまで、肘部尺骨神経障害の診断と治療方法について見てきました。
肘の神経ってなかなか意識することが少ないかもしれませんが、
痛みやしびれがある場合は放置せず、
早めに医師に相談することが大切です。

今回紹介した「神経伝導検査」と「インチング法」は、
問題がある場所をピンポイントで特定できる優れた方法です。
これらの方法を理解しておくことはとても大切です。

肘部尺骨神経障害は、
早期に発見・対処すれば大きな問題になりにくい症状です。
ですので、手のしびれや筋力低下を感じたら、
ぜひ専門の医療機関で診てもらいましょう。

  • タイトル: 肘部尺骨神経障害の電気診断学

  • 著者: 栢森 良二

  • 掲載誌: 臨床神経生理学

  • 巻号: 第41巻 第3号