安全な視覚的キューを作製しよう!
今回は神経難病の一つであるパーキンソン病の歩行訓練で
視覚的キュー(刺激)として使用するアイテムを作製します。
パーキンソン病では、脳の一部(中脳の黒質)の変性により脳(大脳皮質)の活性が低下し、
運動命令が出づらくなります。そのため、動きが出づらくなったり(無動)、
動作がゆっくりになったり(寡動)します。また、歩くことに関しては、
小刻み歩行や突進現象、すくみ足といったパーキンソン病特有の歩行障害を呈します。
【逆説性歩行】
パーキンソン病の動き出し辛さの解決方法の一つとして、
目からの(視覚的な)刺激や耳からの(聴覚的な)刺激を用いることで、動き出しが
スムーズになることがあります。これらは逆説性歩行や矛盾性運動と呼ばれています。
パーキンソン病では、体を動かそうとするときに使われる脳の経路(基底核-補足運動野系)
が障害されます。この経路は上述したような目や耳からの刺激に依存しません。
それを補うために、障害された経路を別の運動経路(小脳-頭頂葉-運動前野系)で代償しようとします。
この経路は、目や耳からの刺激に依存し、これらの手がかり刺激を用いることで歩行への
注意を高めることができ、結果、歩き出しや動き始めの動作が誘発されやすくなります。
代表的な具体例としては、
数を数えることや、手拍子、棒を跨ぐなどの手段があります。
しかし、、、
視覚的な刺激としての棒跨ぎでは、膝を伸ばした自然な足の振り出しが
促しづらく、また踏む、つまづくなど転倒につながるリスク、
運びづらいなどのデメリットを経験します。
今回紹介する視覚的キューは躓き辛く、膝を伸ばしたままでの自然な足の振り出し
を促すことができ、かつ収納、持ち運びがしやすいアイテムです。
ご興味があればぜひ、参考にして頂けると幸いです。
【視覚的キューの作製方法】
今回使う物品はこの3点です。
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①板(段ボールでも可)
②滑り止めシート
③インソール
製作費は10歩分で1200円程度、
無料の段ボールを使用すれば300円程度です。
表 裏
板の表にインソールを、裏にカットした滑り止めシートを両面テープで貼って完成です!
これを10枚ほど用意し、平行棒内などで使用します。
【使い方】
①歩行練習
歩幅狭め 歩幅広め
歩幅の調整が可能です!
②バランス練習
直立 継足
③応用歩行練習
ランダムに配置し、意図したバランス練習、歩行練習にも使えます。
パーキンソン病にかかわらず色々な対象に様々利用できると思います。
重ねて片付けたり、A4サイズの籠にまとめられるので便利ですよー。
パーキンソン病に対する標準的理学療法介入 何を考え,どう進めるか? [ 松尾善美 ] 価格:7,020円 |